透明な水中写真
こんにちは。写真家の万水です。
もう夏ですね!短い春が終わり、雨の季節の青空に夏の気配しか感じられません。
少し汗ばむ日も増えてくるこの時期、皆様に少しでも涼しげな風をお届けしたいと思い、本日は私がライフワークの一つとしている「水中写真」についてお話しさせてください。
地上とは全く重力の違う水の世界。そこには、美しい太陽の光がゆらゆらと水のベールを通して降り注ぐ、息を呑むような世界が広がっています。
ただ、水中の写真は、そのままカメラで撮っただけでは全体が青緑色に沈んでしまい、どうしても視界がかすんで見えてしまいます。皆様に、まるで私と一緒に水に潜っているかのような、クリアで透明感のある世界を体験していただくため、水中写真のレタッチには特に強いこだわりを持っています。
まず、強すぎる光の反射による白飛びを抑え、水面の柔らかなディテールを復元します。暗く沈んでしまった影の部分も丁寧に持ち上げることで、水底の質感まで感じられるようにしています。
そして一番のこだわりは「色」のバランスです。
深く沈んだ青緑色を、その場で感じた本来の鮮やかで心地よい色に戻すため、あえて少しだけ黄色やマゼンタといった温かみのある色を足して、カラーバランスを整えます。
その上で、仕上げとして「水面」に向かって広がる部分だけは、より一層澄んだ青色になるようにグラデーションをかけ、スッキリとした透明感と明瞭さを際立たせています。
こうして何段階もの調整を重ねることで、水の中のひんやりとした温度感や、差し込む光の美しさが、一枚のプリントとして蘇ります。
ギャラリーページに、涼を呼ぶ水中写真の新作をいくつか追加いたしました。
これからやってくる暑い夏に向けて、お部屋に飾るだけでスッと涼しい風が吹き抜けるような、そんなお気に入りの一枚を見つけていただけたら幸いです。